公園でもよく見る藤は藤棚が作られ、5月の開花期は50センチほど垂れた紫色の花を咲かせます。開花時期は滝のように花を咲かせる姿は見応えがあり、家の庭でも育てたいと考える人は多くいます。しかし棚や育て方が難しそうと感じるかもしれませんが、棚がなくても適切な管理でキレイな花を咲かせることができます。今回はそんな藤の剪定方法や育て方などご紹介します。
目次
藤とは?藤の特徴
藤はマメ科のツル性落葉低木で沖縄から東北まで日本に広く自生する日本原産の植物です。平安時代にはすでに藤は日本で艦長価値の高い植物として親しまれてきました。開花は4月下旬から5月中旬でツル性なので棚があることで、花が咲く部分を枝垂させることができます。
暑さにも寒さにも強く、特に日当たりの良い場所と、やや湿気があり通気性のある砂質のような土を好みます。庭植え、鉢植えでも育てることができ、どちらも水切れによる土の乾燥は避けましょう。剪定は花が咲き終わった5月下旬から7月頭が適期です。また植え付けや植え替えの場合は、暖かくなり始める2月から4月までに行いましょう。
狭い空間でも育てることができるので、うまく育てることで開花期にはナイアガラの滝のように枝垂れる藤の花を楽しむことができます。藤の花は紫色だけでなく、白や淡桃色もあります。
藤の植え方・育て方、育てる時期
初めて藤を育てる場合は、市販されている藤の苗から育ててみましょう。鉢植えの場合は、咲く容器の11〜3月に苗を鉢に植えていきます。湿気を好みますが水はけと保水力が良い土を選びましょう。黒土を主体に、堆肥や腐葉土を混ぜ込み、通気性をよくする川砂や鹿沼土なども合わせましょう。土の乾燥が続くと花付きが悪くなります。
地上の場合も11〜3月に地面に植えます。できるだけに当たりの良い場所を選びましょう。日陰が多いと花の付きが悪くなります。地面を掘った際に堆肥や腐葉土を混ぜ込んでおき植えます。根が傷つくと花が咲かなくなってしまうので、植える際は根の部分を丁寧に扱いましょう。
水やりペース
その後の管理は水をたっぷり与えます。藤は水が好きな植物なので乾燥には強くありません。鉢植えの場合は、そこから水が出てくるまでたっぷり与えます。水やりのペーズは、春と秋は1〜2日の1回、夏は1日に1〜2回、冬は土が乾燥したら水を与えましょう。
肥料
肥料は12〜2月頃の落葉期に、骨粉や油かすなどの有機質の肥料を根元に撒きます。肥料の窒素が多いと葉がたくさん付きすぎてしまい花の付きが悪くなるので、リン酸とカリウムを多く含むものを選びましょう。
藤の剪定の必要性
藤はマメ科のツル性植物なので放っておくとどんどんツルが伸びます。剪定時期は開花が終わった5月下旬〜6月に今年伸びた新しい枝を剪定します。剪定することで来年の花の付きが良くなります。またツルが伸びっぱなしにナルト内側に日が当たらなくなるので、花芽の付きが悪くなります。
主な剪定は花が終わってからですが、7月上旬にも春に伸びた、勢いが強い枝を長さを揃える程度に切り落とします。また葉が落ちた11〜3月にも木のバランスを整える程度に剪定を行います。この時も、長く伸びすぎた枝を切り揃えます。
勢いよく伸びたツルに花芽が付いていた場合は3〜4個の花芽を残して、伸びたツルは切り落としましょう。この季節は花芽を落としてしまう可能性もあるので、大胆に切らずに、伸びた枝だけを剪定しましょう。
藤の剪定に必要な道具
軍手
藤は剪定を怠ると花の付きが悪くなるので、きれいな藤を鑑賞したいなら剪定を行いましょう。剪定を行う時の軍手はできれば内側の表面がゴムになっていると道具を持った時、滑らずに力を入れることができます。
脚立
庭に植えている藤をもし人より高く育てる場合は、脚立が必要になります。鉢で小さく育てている場合は、ハサミ類だけでも大丈夫です。一番軽い植木バサミは小枝を切る際に適しています。ある程度太い小枝でも、根元に近い位置なら切ることができます。
剪定バサミ
その次に、もう少し太い枝(小枝が生えてい枝など)を切る際は剪定バサミが適しています。植木バサミより刃の部分が広くできており、少し重みもあります。太い枝などは切り刃を押し下げるように切ります。
切り込みバサミ
全体の形を整える刈り込みをする場合は、刃が長く両手で扱う刈り込みバサミが最適です。両手なので力をそこまで使わずに木の全体を整えながら剪定することができます。生垣の場合は、丸や四角に形を整えるので、刈り込みバサミが重宝します。
高枝剪定バサミ
脚立を利用しても届かない高い木の場合は、高枝剪定バサミという柄の部分が長く伸びるものを使うのがいいでしょう。また太い木の場合は剪定ノコギリを使って、切り落とします。藤の場合は、毎年剪定を行なっていれば、そこまで強く剪定することはあまりないので、ハサミではきれない枝はノコギリを使いましょう。
剪定を始める前に、木の様子を見て事前に道具を揃えておくことでスムーズに剪定が行えます。
藤の剪定の方法
開花後の5月下旬〜6月下旬の剪定は花芽をたくさんつけさせるためと、木のバランスを整えるために行うので、混んでいたり、重なっているツルを根元から剪定します。また幹から直接生えているツルや、地面から生えているツルも元から切り落とします。
藤の花芽は短い枝につきやすいので、勢いが強いツルを1メートルほど残して切り落とします。日が当たるようにすることでも花芽はつきやすくなります。
11月〜3月の剪定は木のバランスを整える程度なので、長く伸びすぎたツルや枝は花芽が付いてなければ根元から切り落とします。花芽がツルに付いていた場合は、3、4個残る程度に切り落とします。
この時期は葉の芽もあるので、見分けにくいですが、大きくなってくると花芽は薄桃色に色付いてくるので分かりやすくなります。花がたくさんつくかどうかは剪定で決まってくるので、木の内側まで日が入るようにしてあげましょう。
藤の剪定の際に気をつけるべきこと
剪定しすぎてしまうと今度は花付きが悪くなってしまうので、混み合っているところを漉いてあげるように剪定しましょう。考えすぎてしまうと、逆に剪定できなくなってしまうので、勢いのありすぎるツルを短くしたり、木のバランスを見ることで切りすぎることもありません。
藤の花が咲かない原因とは?
剪定も行なっているにもかかわらず花が咲かない原因の1つとしては、根が傷ついている可能性があり、特に地植えから鉢植えに変えた場合は、何年も花が咲かない場合があります。また木の成長途中で花があまり咲かない場合は、栄養が偏っているケースもあるので大きく成長してから、花をたくさんつけるようにもなります。
要注意なのが梅雨〜夏にかけて幹に発生しやすいこぶ病は放置すると、大きくなりそこが空洞化してしまいます。見つけ次第こぶを削り取りましょう。
藤の花の剪定の仕方や育て方のまとめ
藤の花は開花すると静かな華やかさを与えてくれる植物です。昔も現代も人を惹きつける観賞用として庭木としても人気が高く、開花のために管理をしてきたのに春になって花が咲かなかったらかなりショックですよね。正しい管理と剪定を行うことで毎年キレイな花をつけてくれる丈夫な植物なので、根気強く育てていきましょう。
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