サザンカはピンク系の色鮮やかな花を咲かせ、庭木や生垣などによく使われている生命力の強い植物です。定期的に剪定を行うことで形を整えるだけでなく害虫防止になります。昔から日本人に馴染みのあるサザンカですが、植え方や剪定方法、剪定時期、注意すべき内容などを詳しく解説します。

 

サザンカとは?サザンカの特徴

サザンカはツバキ科の一種で昔から庭木や生垣に利用されてきた日本の固有種です。主に10月〜12月にかけて白、ピンク、赤系の小ぶりな花を咲かせます。咲ききると花びらを1枚ずつ散っていくので、ツバキ科らしい儚さを見せてくれます。
サザンカは昔からある植物なので初心者でも育てやすい特徴があり、日陰でも育つので生命力が強く、定期的な剪定を行い害虫がつかないように気をつけることで、毎年綺麗な花を咲かせます。ただし剪定しすぎると花が咲かなく場合もあるので、最終的な木の形を意識しましょう。

サザンカの植え方・育て方、育てる時期

サザンカは鉢植えでも日陰でも育てやすい植物ですが、日向では西日が当たらない場所に植えるか、おいてあげましょう。また冬はツバキより耐寒性が弱いので、マイナス5度以下以下になるようなら防寒をし、乾燥した寒風が当たらないようにしましょう。
水やりの仕方は、鉢植えでも庭植えでも2年未満の若い株は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。2年以上経っている株は水やりの必要はなく、雨だけで大丈夫です。また植え付け後の1週間は水をあげます、根付いたら水やりはなくても大丈夫です。もし真夏に雨が降らない日が続いた場合は、たっぷりと水を与えます。
肥料は、2月に有機肥料を根元に与えます。鉢植えの場合は3月に化成肥料を与えます。肥料をあげるタイミングは花が咲き終わってから追肥するようにしましょう。肥料が足りなくなると、葉っぱが枯れたり、枝がしっかり育たず花付きが悪くなります。

サザンカの剪定の必要性


サザンカは枝が伸びっぱなしになると、中が密集するとチャドクガの幼虫が発生しやすくなります。葉を食べてしまう他に、その毛が人の皮膚に触れると強い痒みを引き起こして発疹になります。また枝を剪定することで、花が咲く位置を調節したり、木の形を整えることができます。
生垣を作る場合は最初に形を作るので、年に2回の剪定が必要です。庭木のように自然な形を作りたい場合は年に1回の剪定を行います。サザンカは頻繁に剪定する植物ではないので、時期さえ覚えてしまえば管理もしやすいのがポイントです。

サザンカの剪定の時期

庭木の自然な形で育てている場合は、3月中旬の花が咲き終わった後に1度だけ剪定を行います。サザンカは10〜12月の真冬まで花が咲くので、花が咲いた後の2月から蕾の形成に入る前の4月頃までに剪定は終わらせます。
生垣の場合は形を作っておく必要があるので、花が咲き終わった3月と、花が咲く前の9月頃の2回の剪定が理想になります。9月の剪定はすでに蕾が付いている枝もあるので、生垣の形を乱している枝などを軽く落とす程度にしましょう。

サザンカの剪定の方法

まずはサザンカの全体的を見て、作りたい形をイメージしながら、その形に近づけるように枝を剪定していきます。その際に不要に伸びている枝や密集している枝を切り落として風通しを良くしましょう。

剪定する必要がある枝を見分けるポイントとしては、幹の近くにある枝がないか見てみましょう。木の幹に向かっているような枝は根元から切ります。また養分を吸収しすぎる枝、上に向かって伸びている徒長枝や、木の根元から生えてくる枝は余計な養分が流れてしまうので、根元から切り落とします。

他にも木の中が密集している枝を探しましょう。他の枝に絡みつくように伸びている枝や、1箇所から何本も出ている場合は数を減らします。このように木の最終的な形をイメージしながら剪定してあげることで、無駄な枝などが見えてくるようになります。

サザンカの剪定に必要な道具

サザンカ剪定に必要なハサミは枝の太さに合わせて使い分けると剪定しやすくなります。比較的に細い枝を切る際に重宝する「植木バサミ」は6〜8ミリくらいの太さの枝まで切ることができます。

その次に、もう少し太い枝を切ることができる「剪定バサミ」です。あまり力を使わずに太い枝まで片手で切断することができる、軽くて丈夫なハサミです。

さらに大きな枝を切断したり、高い位置にある枝を切る際に必要になるので「刈り込みバサミ」です。刃も大きく両手を使いますが最近では軽いものが増えています。また脚立があることで、手の届かない密集したところを整えることもでき、害虫予防になります。

サザンカは特に枝が密集しやすい性質があります。手が届かないところを密集させたままにしておくとチャドクガが増殖してしまう原因にもなるので脚立と刈り込みバサミはぜひ用意しておきましょう。

サザンカの剪定の際に気をつけるべきこと

サザンカの剪定で気をつけるポイントがあります。剪定の際に枝を切りすぎてしまうと、翌年に花が付きにくくなってしまうので密集しているところや、枝が伸びすぎているところをポイントにして剪定を行いましょう。必要以上に刈り込むのは要注意です。

サザンカの冬の防寒対策について


サザンカはあまり耐寒性が強くないので、寒がりな植物といえます。冬の冷たい乾燥した寒風に当たると枯れたり弱ってしまう場合があります。鉢植えなら室内に移すなどして風があまり当たらないところに移しましょう。

庭植えの場合は、不織布やビニールマルチを木全体に覆うようにして防寒をしましょう。春に気温が上がってきたらマルチを外し、その時、枯れている枝があれば根元から切り落とすようにしましょう。

花が咲いた後のちょっとした作業

花が咲き終わるとその後に実がつきます。果樹のように食べられるようなものではなく、潰すと椿オイルになるものです。枝にそのまま付けっ放しにすると、実に養分が取られてしまうのでその実ごと花がらを摘み取りましょう。また花が咲いた後に剪定をするので、剪定が終わってから実を取ってもいいでしょう。

庭木の初心者にも育てやすいサザンカ

サザンカは寒さに少し寒い性質がありますが、基本的には初心者でも育てやすい植物です。年に1回〜2回の剪定で余分な枝を切り落として密集させないことで害虫防止にもなるので、剪定だけは忘れずに行いましょう。また追肥や実を取るなどの細かな作業も行い楽しくサザンカを育てましょう。

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