花木の王様と呼ばれているほど、鮮やかな色の花を咲かせることで人気の「シャクナゲ」

最近では様々な小型品種が出ているため、自分の好みのシャクナゲが見つかるかもしれません。
今回は、そんなシャクナゲの剪定方法や時期、育てる上でのコツについて解説していきます。

庭を綺麗な花で明るくしたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

シャクナゲ(石楠花)とは?シャクナゲ(石楠花)の特徴

春に綺麗な色の花を咲かせるシャクナゲは、低木であるため育てやすく、庭木として人気が高いのが特徴です。

花言葉は「威厳」や「荘厳」といった意味が込められているので、それほど咲く花は美しくて魅力的なことがわかります。
花が枝先に扇状に咲く特徴を持っていて、育てていると春が待ち遠しくなるでしょう。葉は常緑で厚みや光沢がある印象です。冬の寒さにも耐えられる強い花木であるため、栽培しやすいのも特徴の一つです。

シャクナゲ(石楠花)の植え方・育て方、育てる時期

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シャクナゲは主に種から育てる方法と、苗から育てる方法があります。種から育てる場合は、10月頃に種を採取しておき、3月頃に種まきを行っていくのが一般的です。

しかし、種から育てる場合は、花を咲かせるまで10年近くかかってしまうことから、苗から育てる方がいいでしょう。
苗の植え付けの場合は、3月~4月または9月~10月に行います。鉢植えで育てる際は、根を1/3ほど軽くほぐしてから広げながら植え付けるようにしましょう。

地植えで育てる際は、鉢植えで育てるのと同様に、根を1/3ほど軽くほぐしてから植え付けるようにしてください。
育てる場所については、水はけがよく肥料がたくさんあった方が生長が著しいのが特徴です。

また直射日光には当てない方が無難で、半日陰で育てる方がいいでしょう。日常的に直射日光に当たっていると生長が悪くなってしまう恐れがあります。

水やりは土が乾燥している場合は、水をたくさん与えるようにしましょう。ただ過湿に弱い性質を持っているため、雨の日にさらに水やりを与えると根腐れを起こしてしまう可能性があります。
天候や土の状態を意識して、水やりのタイミングや量には十分注意しましょう。

シャクナゲ(石楠花)の剪定の必要性

比較的、身長が低い低木であるシャクナゲには、大きさを制限するための強剪定は必要ありません。

枝枚数が少ないことから、芽を伸ばすために剪定を行うことが一般的です。
また剪定のやり方としても、芽を増やすための芽摘みを行うことが多いので、素手で行うことが多いのもシャクナゲの剪定の特徴になります。

他の枝が生長しやすいように、細い枝や古い枝は早めに剪定しておき、生育のいい枝を残しておくのも、綺麗な花を咲かせるためには重要な工程です。

シャクナゲ(石楠花)の剪定の時期

シャクナゲの剪定は、4月~7月に行うのが適期で、新芽が出る前に行っておくのが基本です。

新芽が出てから剪定を行ってしまうと、花が咲かないようなことに繋がってしまう可能性があるので、早めに剪定を行い、樹形を整えるようにしておきましょう。

シャクナゲ(石楠花)の剪定の方法

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シャクナゲは剪定の他に、芽摘みを行うことも重要で、適度に行うことで毎年綺麗な花を咲かせることができます。

基本的に剪定は、密集している枝や枯れ枝を切り落として、他の枝が生長しやすい環境を整えてあげるように行うことが多いでしょう。
芽摘みの場合は、芽が5cm程度の時に芽を摘むと、葉の付け根から数本の芽が出てきます。

これを何度か繰り返すことで、いい木姿を演出することができるので、こまめに芽摘みを行っておくといいでしょう。
他にも花芽摘みという方法があります。花芽摘みは、3つの枝から1つの花だけを咲かせるように、しっかりした花芽だけを残して他は摘み取る方法です。

このように、剪定や花芽摘みを行うことで、綺麗な花を咲かせることが出来たり、樹形を整えることが可能になるので、立派なシャクナゲを育てるのであれば、剪定はしっかり行っておきましょう。

シャクナゲを育てる上で注意しないといけない病気や害虫

春には綺麗な花を咲かせるシャクナゲですが、育てる上では十分注意しないといけない病気や害虫が存在しています。

どんな病気や害虫が発生する可能性があるのか、詳しい内容を解説していくので、参考にしてみてください。

・褐斑病や花腐菌核病、ペスタロチア病

どれも日光に当たり過ぎることで、斑点のようなものが発生して、徐々に樹木を枯れさせてしまう怖い病気です。

感染した部分は薬剤を使用して治療を施すか、感染した部分を切り落とす必要があります。

早めに対処しなければ、他の枝にも感染してしまう可能性が高いので、早急に処置を施しましょう。

・ベニモンアオリンガやハマキムシ

4月~6月または9月~10月に発生する可能性が高く、どちらも蕾や芽を食べてしまう可能性があるので、早めに駆除しておく必要があります。

殺虫剤で駆除することで改善されるので、見つけた時にはすぐに対応しましょう。

・ハダニ

葉の裏に引っ付くことで、葉を弱らせてしまし、最終的には枯れてしまうことに繋がります。

水に弱い特徴を持っているので、対処としては霧吹きで水をかけるか、殺虫剤で駆除してしまうようにしましょう。

シャクナゲの挿し木や接木の方法

シャクナゲの増やし方として、挿し木や接ぎ木という方法があります。

シャクナゲは花が咲くまで時間がかかる花木なので、挿し木や接ぎ木で増やすこと、たくさん生長させることが可能です。

どんな方法か詳しく解説していきます。

・挿し木の方法

湿度の高い6月か枝が硬くなる9月に行うのが一般的です。

準備段階として7cmほどの挿し穂を用意するために、2芽以上ある枝から1芽だけを残すように摘み取りましょう。

また葉は4~5枚だけ残すようにしておきます。

茎を斜めに切り取り、切り口にオキシべロンなどの発根促進剤を薄めた水に3時間挿し木をつければ、準備はOKです。

その後は挿し穂を土に埋めて、日陰で管理するようにしましょう。根が出るまでは、乾燥させないように水をこまめに与えていき、生長を見守っていくようにしてください。

・接ぎ木の方法

接ぎ木を行うのは2月~4月から適期と言われていて、台木と接ぎ穂が同じ太さになるように行うのが、接ぎ木を成功させるコツといえるでしょう。

まず台木の茎を斜めに切り、1日~2日ほどで切り口から出る水分が出るようにしていきます。

水分が全てなくなった後は、台木と接ぎ木が同様の太さになるように接ぎ木を斜めに切って準備しましょう。

準備が完了すれば、台木と接ぎ木を繋ぎ合わせてテープで固定してください。
テープが巻き終わった後は、ナイロン袋をかぶせて水分が逃げないようにしていきましょう。

シャクナゲの綺麗な花で庭を明るく演出

シャクナゲは花木の王様と呼ばれるだけあって、春に咲く花は鮮やかで、庭を明るく演出してくれる効果が期待できます。

芽摘みを行うのは一苦労なので、手間がかかるのは大変ですが、毎年綺麗な花を咲かせるためには、しっかりお世話をしてあげることが大切です。
種類によっては、花の色のバリエーションが豊富なので、いくつか栽培するのも花が咲いた時の楽しみが増えるかもしれません。
芽摘みや剪定の方法は、時期や方法がややこしいこともあるので、自分で管理が難しい場合は、業者に依頼することも検討しておくことをおすすめします。

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