ツゲは玉ものや仕立て物、生垣にすることで四季を通じて、いつでも鑑賞して楽しむことができるとして、人気の樹木となっています。主に四国や本州中南部に生息しているのが特徴です。
そんなツゲの剪定方法や時期、育てる上でのコツについて、詳しく解説していくので、参考にしてみてください。
目次
ツゲとは?ツゲの特徴
細かい葉が次々と層を成して出来ていることから、「継ぐ」という言葉が語源と言われているツゲは、葉が魅力的な樹木で、密生し萌芽力が強いのが特徴です。
好みの樹形の整えることで、1年間を通して楽しむことができるのが人気の秘密となっています。
葉は1~3cmほどの大きさで、皮質で光沢があり、先端が少しへこんでいるので、見た目でツゲとわかるのがポイントです。
枝は横に広がりやすいことから、無造作に生えてしまわないためにも、細かい剪定が必要になってくるでしょう。
花や実も出来るのが特徴ですが、花はクリーム色の小さい花で、観賞価値は乏しいと言われています。
しかし、蜜源としてはミツバチが集まりやすいのが特徴です。
秋には1cm弱の実ができ、黒い粒が3つ含まれています。熟した実を手で触れると、種は遠くまで飛んでいくとされています。
ツゲの植え方・育て方、育てる時期
日当たりのいい場所を好み性質を持っていて、土に関しては適応力が高いことから、湿った土から乾燥した土まで、問題なく生長してくれるのが特徴です。
ただ出来るだけ肥料が入っている栄養満点の土であることが、ツゲの生長に関わってきます。
植えてから2年も経っていないツゲの場合は、しっかり水を与えることが重要で、土の表面が乾燥したら、すぐに水を与えるように管理していくことが重要です。
地植えが完了した後は、水やりをせずに自然の雨水で生長させることがで問題ありません。
しかし、日照りが続いて地面が乾燥してしまっている場合は、水やりを行う必要があります。
植え付けの時期は4月~6月に行うのが理想です。
ツゲの剪定の必要性
ツゲは剪定を行わないと萌芽力が強いため、大きく生長してしまい、枝が混み合ってしまったり、想像以上に樹形が乱れてしまう可能性があります。
そのため、定期的に剪定を行い、樹形を整える必要があるでしょう。
剪定を行わないと、樹形が乱れるだけでなく、日光の当たりが悪くなったり、風通しが悪くなってしまうことがあるので、しっかり状態を確認して、必要であれば剪定を行うようにすることが大切です。
ツゲの剪定の時期
ツゲを剪定するための道具として使用するのは、「刈込バサミ」です。
刈込バサミを使って、主に枝を剪定していくので、自分好みの樹形に整えていきましょう。
剪定の時期としては、6月と9月頃に行うのがおすすめです。まず6月頃に剪定を行うのがおすすめの理由は、ツゲの成長期が、その頃で一度落ち着くため、樹形を整えるためには丁度いい時期だからになります。また9月に剪定を行うことがおすすめなのは、ツゲがその頃に休眠期になることから、生長せずに剪定した状態を維持することが可能だからです。
9月に剪定を行うことで、翌年まで大きく樹形が変わることもないので、自分が理想とする樹形で整えておくことをおすすめします。
ツゲの剪定の方法
主にツゲを剪定するためには、刈込バサミを使っていきます。
刈込バサミでどのように剪定を行っていけばいいのか、具体的なツゲの剪定方法を解説していくので、参考にしてみてください。
樹形内部の枝整理
剪定を行う上で重要なのが、樹形内部の枝混み合っていないかということです。
混み合っている蒸れたり、栄養が足りなくなって枯れてしまう恐れがあるので、必要ないと感じた枝は根本から刈り取っていきましょう。
また枯れてしまった枝も、刈り取ってしまうことで、他の枝に栄養が行き届くので忘れずに対応してください。
6月以降に伸びたツゲの剪定方法
6月は一番枝が伸びる季節であるため、しっかり剪定を行って乱れてしまっている場合は、綺麗に樹形を整えるように枝を根本から刈り取っていきましょう。
6月頃は深く刈り取っても、新葉が出てくるので、心配せずに思い切って剪定を行っていくことが重要です。
衰弱しているツゲは剪定してはいけない
見た目にも葉が少なく、元気がないツゲには剪定をしてはいけません。
剪定を行うとさらに元気が失われて、枯れてしまう可能性があります。
元気がない場合は、栄養や水を十分に与えて、様子を見てあげるようにしましょう。
あまりにも樹形が乱れている場合は、形が悪くなってしまっている場所だけを剪定するようにしてください。
9月頃のツゲの剪定
9月以降はツゲが生長しないことから、この時期に剪定することで、樹形が綺麗に留まった状態で冬を越すことができます。
自分好みの剪定を行っていれば、冬の間は綺麗な状態を維持することができるので、軽く剪定を行っておきましょう。
上から下に向けて剪定していくと、枝葉を落としながら剪定できるので、後片付けが楽に済むのでおすすめです。
ツゲに発生する可能性のある病気や害虫
ツゲを育てる上で気になるのが、病気や害虫の存在です。
病気や害虫が発生してしまうと、生長が悪くなるだけでなく、枯れてしまう原因になります。
基本的にツゲは病気になることがほとんどありませんが、害虫は発生するので、どんな害虫が発生する可能性があるのか解説していきましょう。
・ハマキムシ類
クロネハイイロハマキやチャノコカクモンハマキなどハマキムシ類がツゲに発生すると、食害を被る可能性があります。
年に何度か発生する危険があるので、ツゲの様子を見てハマキムシ類がいないかチェックしていきましょう。
枝先を糸で束ねて住処にしているので、見た目ですぐにわかります。放置していると枝全てに影響を及ぼすことから、物理的に糸を落としていくか、薬剤を散布して駆除しましょう。
・アカシマメイガ
アカシマメイガは幼虫が葉を食べてしまうので、発見したらすぐに駆除するようにしてください。
若い葉だけでなく、古い葉でも食べてしまうので、葉がなくることで枝が枯れてしまう恐れがあるので、十分注意しましょう。駆除するためにも、薬剤を速やかに散布してください。
・ハダニ
乾燥した日が続き、風通しが悪い場合にハダニが発生することがあります。
ハダニが発生していると、葉のツヤや葉の色が悪くなるので、よく観察して見極めていきましょう。
水に弱い性質を持っていることから、まずは葉に水をかけて駆除できないか試してみましょう。
それでも改善されていないようであれば薬剤を散布して駆除してください。
ツゲの剪定はプロに依頼
ツゲを剪定する時期は、主に6月頃と9月頃ですが、6月の場合は大きく剪定しても葉がつくので問題ありません。
しかし、9月の剪定は細かく樹形を整えながら剪定しないと、それ以降は生長が止まってしまうので、慎重に行わないと樹形が乱れてしまっていると見た目が悪くなってしまいます。
個人で剪定しても問題ありませんが、細かい剪定はプロに依頼した方が正確に樹形を整えてくれるはずです。
確かな技術と知識をプロの業者は持っているので、安心して任せるようにしてみましょう。
立派な葉や花、実をつけるためにも、綺麗に剪定を行ってもらい、自分好みの樹形に整えてもらってください。