秋になり、外を歩いているといい香りがして秋の訪れを感じさせてくれる「キンモクセイ」は、丈夫なので育てやすいためご自身の庭で育てたりと人気の高い植物です。
今回は、小さなオレンジ色の可愛らしいお花が目を楽しませてくれ、香りで癒してくれる「キンモクセイ」の育て方や剪定方法・剪定時期などをご紹介します。

キンモクセイとは?キンモクセイの特徴

キンモクセイ

キンモクセイは、中国が原産国になります。常緑性の小高木で、モクセイ科モクセイ属です。9月の下旬頃から、10月の中旬ごろに小さなオレンジ色の花を咲かせ強い香りを放つのが特徴です。属名のOsmanthusは、ギリシャ語のosme(におい)とanthos(花)の意味を持ちます。その香りから「3香木」の1つにあげられています。
日陰などでも育つため、初心者の方でも比較的簡単に育てることができます。

キンモクセイはホームセンターの園芸コーナーやネット通販などでも購入する事ができます。価格は株立ちの鉢植えの小さな物だと3千円程度で購入できます。

株立ちのキンモクセイは下の画像をクリック!!

キンモクセイの植え方・育て方・育てる時期

 

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キンモクセイの特徴でもある優雅な香りをご自分のお庭でも楽しみたいと、生垣として育てられていることが多いキンモクセイですが、鉢植えでも楽しむことができます。
日陰でも育ちますが、大きくしたい場合には日当たりや水はけなどすくすくと大きく育つことができる環境づくりがポイントになります。ここからは、各ポイントについて説明していきます。

1)鉢植え・庭植え

キンモクセイは、大きなものでは5メートルほどの背丈になるので庭植えで育てている方が多いです。しかし、大きな鉢植えを用意すれば鉢でも育てることは可能です。小さな鉢植えでは、すぐに植え替えをしなくてはならないので注意しましょう。
「鉢植え」の場合は、8号以上の大きな鉢を用意して下さい。鉢に苗を植えたらしっかりと固定するように土を入れてあげましょう。
「庭植え」の場合は、苗よりも一回りほど大きな穴を掘って植えていきます。こちらも苗を植えたらしっかりと固定するように土をいれていきましょう。キンモクセイは日陰でも育つ強い植物ですが、生垣としてや大きく育てたい場合には、日当たりの良い場所に植えてあげて下さい。

2)育て方

日当たり・置き場所

キンモクセイは、寒さに少し弱い所があります。霜が降りるような寒い地域では、あまり育ちません。日陰でも育ちますが、枝が細くなったり花が付きにくい事があります。日当たりは良いほうが、どんどん成長してくれます。鉢植えの場合も、日当たりが良い所を選んであげましょう。また、空気が悪い所では、花が付きにくい事があるのでなるべく、空気の澄んだところで育てましょう。

キンモクセイは、過湿を嫌うので土は水はけの良い酸性の物を使います。
鉢植えの場合は、赤玉土7・腐葉土3の割合で混ぜたものがオススメです。
庭植えの場合には、庭の土に堆肥や鶏糞・培養土などを混ぜて肥えた土を作ってあげましょう。

水やり

鉢植えの場合には、土の表面が乾いたらたっぷりとお水をあげて下さい。冬はあげ過ぎない様に控えめにして下さい。庭植えの場合には、一度根付くとほとんど水やりは必要ありません。

肥料

肥料は、骨粉や鶏糞・草木灰などのリン酸やカリウムを多く含む肥料を2月頃に与えます。油かすなどのチッソ分の多い肥料を与え過ぎると、花付きが悪くなるので注意して下さい。また、鉢植えの場合は、庭植えよりも肥料を必要とするので、2月と5月、開花前の8月から9月にリン酸分の多い化成肥料を与えて下さい。肥料が足りないと花付きが悪くなるので気を付けて下さい。

植え替え・植え付け

キンモクセイの植え付けは、新しい芽が出る4月から5月が適しています。
植え替えは、庭植えの場合は必要ありませんが、鉢植えの場合には根詰まりを起こしてしまうので2年から3年に一度の頻度で必要です。水はけが悪くなってきたり、鉢に根が回ってきたら植え替えのサインです。一回り大きな鉢に植え替えて下さい。植え替え時期は、3月から4月が適しています。

病気・害虫

キンモクセイの主な病気は、褐斑病や炭そ病・先葉枯病があります。
害虫は、カイガラムシ類やミカンハダニがあります。病気や害虫は風通しが悪かったり、日当たりが悪いと起きやすくなるので気を付けましょう。特に梅雨の時期は過湿になるので、鉢植えの場合には風通しの良い所へ移動させてあげましょう。病気になってしまった葉を見つけたらすぐに取り除き、害虫を見つけた場合は専用の薬剤を散布して早めに対処しましょう。

挿し木

キンモクセイは、種子ができないため挿し木をして増やします。挿し木を行う時期は、7月から9月が適しています。しかし、挿し木をして花を咲かせるには5年ほどかかるので、ゆっくりと育てたい方に向いています。新しく伸びた枝の先端を10㎝から15㎝ほど斜めに切ります。切る際のハサミは、しっかりと殺菌をした綺麗な物を使用して下さい。2~3時間ほどしっかりと水に挿した後、水はけのよい赤玉土やパーライトなどを入れた鉢に挿して根がでるまで、切り口や土が乾かないように管理しましょう。

キンモクセイの剪定の必要性・時期・方法・必要な道具・気を付けること

1)剪定の必要性

キンモクセイは、大きなものでは5メートル以上になります。広いお庭で大きく立派な樹木として育てるのであれば剪定はあまり必要ありません。しかし、生垣として全体の形を整えキレイに魅せたい方や、管理しやすい大きさや形にしたり、花を付けさせるためにも剪定が必要になります。

2)剪定時期

剪定に適しているのは、花が咲き終わった10月から11月と、新芽は出る前の2月から3月です。真冬に一気にバッサリと刈り込んでしまうと冬の寒さに耐えられず、葉枯れを起こしてしまうことがあるので、毎年少しずつ行って下さい。よく見かける形は、円筒状や生垣の四角です。

3)剪定方法

毎年行う剪定(年に1回)と、3年から4年に1度行う内側の枝を切り枝抜きをする2つの方法があります。毎年行う剪定は、咲き終わった枝の枝分かれしている所からセンチから10センチ残して切り落とします。3年から4年に一度の枝抜きは、枯れてしまった枝や内向きに生えてしまっている枝・下へ伸びている枝などを切り落としていきます。その他、立ち枝・交差している枝・平行枝・徒長枝なども切り落としていきます。
残す枝は「斜め上に伸びている枝・重ならない様に伸びている元気な枝」です。枝をしっかりと見極めて、枝抜きを行うことで、日光が届きやすく風通しも良くなるので病気や害虫を防ぐことができ、元気に成長することができます。

4)剪定に必要な道具

剪定に必要なのは、細い枝などを切る植木バサミと太い枝を切る際に使う剪定バサミ・高い所の剪定に使う脚立です。

5)剪定の際の注意点

春から夏にかけては、花芽の時期になるのでその時に剪定をしてしまうと花が咲かなかったり、咲く花の数が減ってしまうので剪定はやめておきましょう。花付きをあまり気にしないのであれば、常緑樹なので冬眠の時期はないため一年中剪定を行うことは可能です。また、葉を全部なくしてしまうと枯れてしまうので、枝を切っても葉は残しておいてください。

まとめ

キンモクセイは、育てやすい花木ですが肥料の与え過ぎや日当たり・過湿に注意をしてあげて下さい。ポイントをしっかりと押さえて育ててあげるといい香りの花を毎年咲かせてくれます。また、剪定を行うことで元気に育ち長い間、楽しむことができます。ぜひ、みなさんもキンモクセイをご自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか。

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