冬の季節に赤い実をつけるのが特徴の南天は、咳止め効果があることで有名な樹木です。「南天のど飴」というのが発売されているほど、効果は確かなようで、実際に咳が出て苦しい時に南天のど飴を舐めていると楽になると言われています。
今回はそんな南天の剪定方法や剪定時期、注意点など詳しい内容を解説していくので、参考にしてみてください。

南天とは?南天の特徴

南天は日本の他に、中国にも自生している樹木で、1~3mほどの大きさに成長します。夏には白い花を咲かせて徐々に赤色に変化していくのが特徴的です。冬になると赤い実ができ、それが咳止め効果があると親しまれています。
魔除けや火災除けとして江戸時代には玄関先に植えられるなど、身近な存在であったと言われている樹木で、鬼門とされる南西に植えておくことが一般的であったようです。
赤い実は昔から、煎じて飲むことで咳止め効果があるとされていて、葉には殺菌・防腐作用があるといいます。ただ葉の部分には、有毒性のあるアルカロイドが含まれていて、少量であれば問題ありませんが、大量に摂取すると知覚や運動神経に麻痺が生じることがあると言われているので、医学的な知識がない場合は、自己流で煎じて飲むことは危険です。

南天の植え方・育て方、育てる時期

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南天は丈夫な樹木であると言われていることから、初心者の方でも育てやすいのが魅力になっています。しかし、乾燥に弱いという性質を持っているので、育てる時は土が乾燥してしまわないように、常に注意する必要があるでしょう。
また花が咲いている時期に、雨よけとしてビニールを被せておけば、実の付き方がよくなるので、一度試してみてください。
南天は種まきと苗植えから育てる樹木で、種まきから育てると成長するまでに時間がかかるので、早めに成長した姿が見たいという方は、苗植えから始めるといいかもしれません。
種まきから始める場合は、11月頃に出来た実から種を取り、すぐに植えることをおすすめします。春に植える場合には、実を湿らせないように冷蔵庫で保存し、3月頃に植えるといいでしょう。
鉢やプランターに種を植え、水をかけたら日陰で発芽を待ちます。
花がつくまで4年ほどかかると言われているので、気長に成長を待っておくしかないでしょう。
苗植えで育てる場合は、3月~4月、9月~10月に植えるのがおすすめ時期です。鉢で育てる場合は、苗よりも一回り大きな鉢を用意して、軽石・土・苗の順番に入れていきましょう。
地植えで育てる場合には、朝に日光がよく当たり、西日は日陰に入るような場所を選択して成長させてください。

南天の剪定の必要性

南天は生命力に溢れている樹木であることから、剪定を行わないと、枝や葉が溢れかえってしまい、庭の場所を占領してしまう恐れがあります。そのため、定期的な剪定を行い、樹形を整えながら剪定を綺麗に行っていくことが重要です。
また南天は小さな枝が生えてくる特徴があるので、こまめに剪定を行っていないと、生い茂ってしまい、実の管理などが大変になってしまいます。いつ剪定するのか、事前に決めておき、定期的な剪定を心がけていきましょう。

南天の剪定の時期

南天の剪定を行い時期としては、3月~6月に行うのがいいとされています。しかし、6月には花が咲く季節であることから、花が咲いている枝を剪定してしまうと、実がならなくなってしまうので、注意が必要です。
また南天は成長が早い樹木であるため、枝や葉が増えすぎてしまった場合は、適宜剪定を行っていくことが重要になるので、日ごろから様子を見ながらタイミングを見計らっていきましょう。

南天の剪定に必要な道具

南天は比較的背の低い樹木であることから、剪定のために用意する道具も多くはありません。基本的に細かい剪定を行う際には木バサミを使用して、小さい枝を剪定していき、樹形を整えながら、邪魔の葉を少しずつ減らしていきます。
また葉や枝に触れてしまうと、かぶれてしまうこともあるこから、剪定の作業を行う時には軍手も用意しておくといいでしょう。
定期的に剪定を行う時には、木バサミで枝を切り落としていき、手には軍手をはめて作業してください。少し高いところを剪定する時には、脚立があると便利かもしれません。

南天の剪定の方法

南天は放っておくと成長が早く、伸び過ぎてしまう恐れがあります。そのため、剪定の方法としては、一度実をつけた枝を把握しておき、切り取ってしまうことが重要です。一度実がついた枝は、もう一度実がつくまで1年~3年ほどはかかるので、剪定してしまった方が、他の部分に実がつく可能性が高くなります。
基本的な剪定の方法としては、枯れた枝や弱い枝は根本から切り取るように剪定を行い、樹木の内側の風通しをよくした方がいいでしょう。
風通しが悪いと、樹木の病気や害虫が増加する原因になってしまうので、生い茂ってしまわないように、定期的に剪定を行っていくことが必要です。
実がついた枝を切り取り、新しい枝から実をつけるような剪定を行っていくうちに、南天がの樹高が出てきたのであれば、梅雨の時期にある程度の高さで詰める切り戻し剪定を行うことをおすすめします。

切り戻し剪定を行うと、幹しか残らないようになってしまいますが、南天の成長力を考慮すると再び枝が生えてくるまで、時間はかからないので、思い切って切り戻し剪定を行うことも考えておきましょう。

南天の剪定の際に気をつけるべきこと

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初心者でも簡単に育てることが出来ると言われている南天ですが、剪定を行う上では注意点もいくつかあります。どんなことに注意しながら剪定を行わないといけないのか、詳しく解説していきましょう。

・放っておくと見た目が悪くなる

南天は生命力がある樹木であることから、水や肥料もあまり必要とせずに成長を続けます。そのため、育てやすい樹木なのですが、生命力がある分、枝が成長するスピードも早く、放っておくと伸び放題になって見た目が悪くなってしまうのです。
そのため、定期的な剪定を行い、樹形を整えるように剪定を行う必要があります。

・6月頃の剪定には注意

定期的に剪定を行う上で、6月頃の剪定には注意しないといけないことがあります。6月には花が咲くのですが、花が咲いている枝を剪定してしまうと、実がつかなくなってしまうので、剪定する枝は吟味しないといけません。
南天は赤い実をつけることに魅力がある樹木なので、大切な実がなくなってしまわないように、注意しながら剪定を行っていきましょう。
一度実がついて枝は、1年~3年の間は実がつかなくなるので、実がついた枝を見極めて剪定を行ってください。

南天は育てやすいが剪定は慎重に行うこと

生命力があり、放っておいても成長を続けることから育てやすい南天ですが、日ごろから剪定を行っていかないと、枝が増えてしまい、見映えが悪くなってしまうので、剪定は定期的に行っていきましょう。
また枝が増えてしまうと、風通しも悪くなってしまい、病気や害虫発生の原因になってしまうことから、剪定はこまめに行ってください。
赤い実には咳止め効果もあると言われていて、見た目にも綺麗なことから、庭に生えているだけで、存在感がある樹木に南天は成長してくれます。
綺麗な姿に成長してくれるように、剪定の方法を覚えて、南天を大きく成長させてあげましょう。

 

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