アメリカを代表する木として、バージニア州とノースカロライナ州の州花となっているハナミズキ。
日本が桜をワシントンDCに送る代わりにハナミズキを送ったという話は有名です。そんなハナミズキの特徴や剪定方法など解説していくので、参考にしてみてください。
目次
ハナミズキとはどんな特徴を持っている?
アメリカの代表的な落葉高木で、横に大きく広がって成長していくのが特徴です。大きさは4~10メートルほどになるので、出来るだけ広い場所で育てる必要があります。
寒さや暑さだけでなく、乾燥にも強い性質を持っていることから、比較的強い樹木という印象です。
春になると、総苞片(そうほうべん)と呼ばれる綺麗な色合いの葉っぱが大きくなりますが、この総苞片をたくさんつけた姿がハナミズキの花の正体とされています。
ハナミズキの本当の花は、総苞片に守られるように、中心に密集して咲いているので、よく観察するとハナミズキの花を確認することが可能です。
ハナミズキの植え方・育て方、育てる時期
綺麗な花を咲かせるハナミズキですが、植え方や育て方、育てる時期などは、どのように行えばいいのでしょうか。詳しい内容を解説していくので、参考にしてみてください。
まず植え方として、苗木の大きさよりも2割ほどの大きさの穴を掘り、その穴に腐葉土や肥料を入れて土と混ぜ合わせます。
そこに苗木を入れ、土を被せてあげればOKです。若木のうちは枝が細い傾向にあることから、支えるための支柱を添えてあげることをおすすめします。
植え付け時期は、11月~3月頃で植え替えする時も同じくらいの期間が適しているでしょう。ただ1月や2月の寒い時期よりも11月や3月といった比較的暖かい時期に植え付ける方がおすすめです。
育て方のポイントとしては、日当たりのいいところに植えて、乾燥しすぎないように様子を見て育てることが重要になります。直射日光を避けて、水はけがいいところを見つけて植えてください。
ハナミズキの剪定の必要性
ハナミズキは基本的に成長が遅く、自然とまとまりやすく枝数も少ないことから、剪定をする必要のない花木と言われています。
しかし、庭が極端に狭いという場合や育てている場所を大きく取れない場合には、成長を止める意味でも剪定を行う必要があるでしょう。
またハナミズキは横に広がって成長する特徴を持つ花木なので、横に広がり過ぎた時は調整するように枝を切り取って調整する必要があります。
ハナミズキの剪定の時期
ハナミズキを剪定する場合には、花が咲いた後すぐか、秋の落葉が終わった後に成長を止めるために頂部を切り取る方法が一般的です。
他にも枝が絡み合っていたり、お互いの成長を妨げるような状態になっている場合には、都度剪定を行うようにしておくといいでしょう。
注意点としては、枝の先にある丸みを帯びた花芽を剪定してしまうと、翌年の花が咲かなくなってしまうことがあるので、剪定するポイントはしっかり把握しておいてください。
ハナミズキの剪定に必要な道具
ハナミズキを剪定するためには、事前に必要な道具を揃えておき、準備を整えておくことをおすすめします。
剪定するために必要な道具
木バサミ
5mm~1cmほどの大きさの枝を剪定に向いている道具で、植木バサミとも呼ばれています。柄の隙間が広いのが特徴で柄が広い分、剪定の際に他の枝を傷つけずに剪定することができるようになっているのです。
剪定バサミ
2cmほどの枝を剪定するために使用される道具で、柄の内側にバネがついているのが特徴になっています。手に馴染む剪定バサミでないと、バネがある分疲れてしまいがちなので、自分の手に合っている剪定バサミを選ぶことが重要です。
刈り込みバサミ
柄が長いのが特徴で、高いところでも剪定することが可能です。両手で使用するタイプの剪定道具で、樹形を整えるのに活用されます。
伸縮機能が付いている刈り込みバサミもあるので、背が高くなりやすいハナミズキの剪定に向いているといえるでしょう。
剪定ノコギリ
太い枝を剪定する時に使用される道具で、目が粗いほど太い枝を切るのに向いています。
軍手
剪定を行う際には、力を入れることもあることから、滑り止めがついている軍手を使用することをおすすめします。枝と接触して怪我をしたり、ハナミズキの葉に触れることでかぶれることを防いでくれるでしょう。
ハナミズキの剪定の方法
ハナミズキは自然と樹形を整える性質にあるため、初心者の方でも剪定を行いやすいのが特徴です。どんな方法でハナミズキの剪定を行う必要があるのか、詳しい内容を解説していきます。
ハナミズキの剪定方法
ハナミズキの剪定時期は、葉が落ちる越冬中に行うのがおすすめです。葉がないので樹形を整えるのには最適で、比較的簡単に剪定を行うことができます。
1.高さを決めて剪定する
剪定する前に、高さを事前に決めておくと上手く形を整えることができます。葉が生えることを想定して、少し低めに高さを決めておくといいでしょう。
高さを決めたら、主幹を剪定し理想の形に整えるように進めてください。
2.花芽を剪定しないようにする
ハナミズキには2つの芽が存在しています。「花芽」と「葉芽」があり、丸く膨らんでいるのが花芽で、小さく細いのが葉芽です。
花芽を剪定してしまうと、翌春に綺麗な花が咲かなくなってしまうので、花芽を見極めて剪定しないように注意しましょう。
3.樹形を整える
ある程度、ハナミズキの高さを剪定で整えることが出来れば、次に樹形を整えます。太い枝の残し方によって、樹形が決まるので、太い枝の剪定の仕方は慎重に行うことが重要です。
遠くから一度ハナミズキの全体を見渡してから剪定すると、樹形のイメージがしやすいので、全体を確認しながら剪定を行っていきましょう。細い枝は付け根から剪定するように行いますが、花芽を切り落とさないように慎重に行ってください。
ハナミズキの剪定の際に気をつけるべきこと
ハナミズキを剪定する上で、注意しながら行わないといけない点があります。どんなことに注意して剪定するのか、詳しい内容を解説していきましょう。
1.強めに剪定すると花が咲かなくなる
剪定を行う前は、計画的に剪定する箇所を考えながら行わないと、強めに剪定を行ってしまうと、2年間も花が咲かなくなってしまう可能性があります。
また冬に剪定してしまうと、花が咲かなくなったり、花が少なくなってしまう恐れがあるため、剪定の時期についても慎重に行う必要があるので注意が必要です。
2.剪定を間違えると枯れてしまう
剪定の時期や剪定の方法を間違えてしまうと、ハナミズキの木自体が枯れてしまうことがあります。特に若い木であれば、枯れるリスクも高いので、無理に自分で剪定を行わずに造園業者に依頼をかけることも重要です。
ハナミズキの剪定は造園業者のプロに依頼するのもあり
アメリカでは代表的な花木として人気のハナミズキは、春になると綺麗な花を咲かせて、見る人を癒してくれます。しかし、剪定の方法を間違ってしまったり、冬の時期に剪定を行うと、花芽を切り取ってしまい、翌年の花が咲かなかったり、花が少なくなったりするので、剪定の時期や方法は考えないといけません。
基本的には、ハナミズキ自体が樹形を自然と整えてくれる性質を持っているので、剪定する必要がない可能性もあります。
ただ植えている場所の関係で剪定を行わないといけないこともあるので、十分な準備と知識を有している必要があるでしょう。
自分で剪定を行う自信がないのであれば、造園業者のプロに依頼する方法もあるので、無理のない計画でハナミズキの剪定を行ってください。